決算書と友達になる方法
「決算書」と聞くとなんとなくとっつきにくく感じますよね。私自身も実際そうでした。ただ、経営者からすると決算書は経営をうまく行うための大事なパートナー。「ボールは友達」ならぬ「決算書は友達」になれれば株式投資にも非常に役に立ちますよ。
損益計算書に捉われるな!
企業の決算書は大きく分けて「損益計算書」と「貸借対照表」に分かれます。
損益計算書を見れば、その年に事業活動でどれだけ損益が出したかが分かります。
貸借対照表を見れば、どこからお金を調達して何に使ったかが分かります。
これは経営者も投資家も一緒だと思うのですが、決算書を見る時はどうしても損益計算書に注目しがち。
なぜなら分かりやすいから。「いくら儲かったか」が一目瞭然なんで、「これだけ儲かってれば安心だ」、「全然儲かってないからこの会社はヤバい!」ってなりやすいんです。
貸借対照表には経営者の想いが刻まれる
経営の勉強を続け、実際に会社を運営して分かったのは 、経営者から見ると損益計算書より貸借対照表の方が大事ということです。
大げさかもしれませんが、貸借対照表には経営者の想いが刻まれています。
経営者の仕事はなんなのか。新しい製品を作ることでしょうか、誰かにサービスすることでしょうか、帳簿をつけることでしょうか、従業員を採用することでしょうか。
私が考える経営者の仕事とは、「お金の使い道を決めること」だと思っています。
研究開発をするにも、新しい設備を買うにも、人を雇うにも、全ての活動にお金が必要です。
そして、そのためのお金をどこから調達するのか。自己資金なのか、投資家なのか、銀行なのか。
それら全ての活動が貸借対照表にはしっかりと記されているのです。
ちなみに、損益計算書は経営者の力というよりは現場の力の集合体です。
個人的な解釈ですが、現場にやたらと口を出す経営者は良くないと思っています。
現金は必ず確認せよ
貸借対照表の中で絶対に確認してほしいのが現金残高です。
どの規模の企業であろうと、現金比率が少ない企業は危ないです。
企業がなぜ倒産するのか。突き詰めると理由はたった一つ。
現金がなくなったからです。
無借金経営で現金100万円を持っている企業と、1億円の借金があって現金1億100万円持っている企業があったとします。
なんとなく前者の方が良い経営をしているように思えませんか。
では、倒産する可能性はどうでしょうか。経営者の私からすると、倒産する確率は前者の方が圧倒的に高いと思います。
それくらい現金がなくなることは怖いのです。おそらくこの気持ちは経営者にならないと分からないでしょう。
まとめ
決算書を複雑だと思う人も多いかもしれませんが、見るポイントはそんなに多くありません。
むしろ、あまり多くを見すぎない方が良いとさえ思います。
必要最低限のことだけを見て、シンプルに経営すること。これに尽きます。
株式投資も一緒です。あれもこれも分析していたら時間が足りないし、余計な情報に振り回されます。
デイトレードでも、スイングトレードでも、長期保有でも、自分なりに納得のいく情報や手法をうまく使っていくのが成功するコツだと思いますよ。
以上、決算書と友達になる方法、をご紹介しました。